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備忘録

個人的なメモで使っています

町田くんの世界

 

町田くんの世界」の3巻巻末短編「愛、ある生活」。

つい動物を拾ってしまう地味めな主人公まっつん(♀)が、今どきのちゃらい男子三島くんを「拾った」ことからはじまる、何てことはないふつうの少女漫画。

…と見せかけて、二人が心を通わせていく様子がシンプルに、且つ余すところなく描かれていて、何十回読んでもぜんぜん飽きずに萌えられる素晴らしい作品。

何がそんなにツボかというと、思うに優れたバランス感覚ではないかしら。

まず、少女漫画で重要な「お互いが替えのきかない存在」というテーマは十二分に満たされている。とくに、根は甘えんぼだけど気を遣ってそんな自分を隠しているナイーブな三島くんにとっては、まっつんは無くてはならない存在なんだろうと自然と思わせられる。

更に、なかなか稀有なポイントだと思うが、まっつんも三島くんも、人としてとても芯がしっかりしている。自分の足できちんと立てるタイプだから、相手を必要とする想いがとても「健全に」描かれていて、安心して何度も読み返せる。

まっつんが鈍感なタイプというのもあいまって、恋愛におちるどきどき感もある反面、長年連れ添った夫婦のような落ち着きもある。

こんな、ありそうでない、そして理想的な関係性が自然と書かれているから、違和感なく読めるし、何度もよみたいという気分になるのだ。

本編は最近すこしダレ気味だけど、暫くはこの短編だけ読んで萌えを繋ぐことができる傑作だと思うです。