備忘録

個人的なメモで使っています

※ネタバレ有り※「お嬢さん」良かった

タイトルまんまだが、映画「お嬢さん」を直感で見たいと思い、いそいそ行ってきた。

第一部の衝撃ラスト直後は、思ってたのと違った!と一瞬見る気を無くすも、監督の術中にまんまと嵌められたと気付いた第二部後半以降は一転しかぶりつきで見るほど良かった。女同士が手を取り合い、愛や欲望に忠実なまま、自由を勝ち得ていくという、個人的好みにストライクなテーマで大満足だった。

 

そうした中でも、2人の日本人男女の役を韓国人俳優が演じるため、若干たどたどしい日本語に観覧中ずっと居心地の悪さは感じていたが、よくよく考えると拙い日本語も監督の意図なのかもしれないと思い当たる。まず、舞台が1930年の日本統治下にある韓国で、日本文化に傾倒する叔父によって育てられたお嬢様なので、いちおう国籍は日本人かもしれないがネイティブ日本人では全くないので、日本語がおかしくて当然なのだろう。更には、「ちんぽ」「おまんこ」に始まる下ネタを、敢えて不慣れな日本語で演じることで、男たちのばかばかしい欲望がますます陳腐に感じられるという効果も狙ったかもしれない。叔父さんは、日本や女性への憧憬をこじらせてイッっちゃってるし、藤原も劣悪な生育環境で育まれた歪みが増長して女性観がヤバいが、こうしたこじらせ男性が徐々に転覆していくのは見ていて痛快な部分も多い。

 

特に良かったのはやっぱり官能シーン。R18指定だからちゃんと見せてくれるんだろうな!と助平心満載で臨んだが、女性同士のセックスシーン、さすが監督が物凄く気を遣っただけあって、男性目線のレズ物感が全くない。女性が、純粋に相手を見て欲情し、欲望に忠実なまま快楽に溺れていくのが伝わる。しかも、男性諸君にもサービスしちゃろか的に、男女の交わりも同じくらい描くという媚びも排除し、徹底している。秀子お嬢様の絹のような白い肌とスッキの少し浅黒い肌の対照も良かったし、スッキのあか抜けない容貌もお嬢様と召使の対比をよく表していたし。ラストもハッピーエンドで後味も良かった。

 

こういった、女性同士の愛と連帯を真正面から描く映画は日本であまり見ない気がするし、こういう映画を男性監督が作るなんて、韓国は日本よりジェンダー意識が進んでいるのだろうかとつい思ってしまったりする。